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2007年3月1日

高校中退者に道筋 「みらい」の進学応援
~専修学校が新たな取り組み~ 【朝日新聞鹿児島版掲載記事】

専修学校「鹿児島高等予備校」(鹿児島市高麗町)で、高校中退者を対象にした新たな取り組みが始まっている。その名も「みらいコース」。高校中退者を対象に、悩みをサポートしながら短大や大学までの進路に道筋をつけるというもの。1期生13人のうち、すでに7人の推薦が決定。6人も受験真っ最中だ。

鹿児島市在住の生徒の例:
「ここは予備校じゃない。私の学校です」

鹿児島市に住む少女(18)は、通っていた県立高校でクラスの人間関係がうまくいかず、不登校に。昨年7月末に高校を中退して「みらいコース」に入った。しかし、2カ月間は勉強が手につかないほど泣いてばかりいたという。
「学校を辞めるというのは家族もそうだが、本人にとっては相当にショックなこと」と同予備校でカウンセリングを担当する切手純孝さん(59)。「みらいコース」は、かつて県立高校の校長を務め、中退者の現状に胸を痛める有水勝・同予備校校長(64)の発案で、昨年4月に始まった。県によると、県内の高校中退者は、公立私学合わせて17年度は1061人。01年度の1500人からは減少しているものの、依然人数は多い。「挑戦するのは若者の特権。現状にくさびを打ちたい」県総合教育センターで研究主任として不登校の子どもたちの電話相談や来所相談に携わってきた切手さんを、同予備校に引っ張った。「不登校の子どもは思春期の大きな悩みの中にいる。精神的に回復しても、元の学校に戻れないから行き場を失う子が多い。ケアしながら大学に行けるシステムが必要」と切手さん。同予備校では、カウンセラー2人と担任が生徒をサポート。どの授業を受けるかなどを個人ごとに検討する。他の人と一緒に勉強する精神状態ではない場合のために、自習室に個別ブースもある。少女は、みらいコースで、自分と似たような経験をした仲間と出会い、「自分に戻っていった」と振り返る。9月から本格的な勉強を始め、12月には短大に推薦で合格した。高校を辞めたとき涙を流した祖母も「本当に大学生になれるのね」と言ったという。有水校長は、ずっと「見えない学力」の大切さを感じてきた。高校時代の悩みをそのままにして大学に進んで、退学したり、引きこもったりする子どもたちも少なくない。点数を取る「見える学力」もおろそかにはできないが、人と協力して仲良くやる、人を傷つけない会話などの「生きる力」が基礎学力だと考える。
少女は「みらいコースに誘ってくれた中学時代の同級生に支えられた。今度は自分の番」。国立大学を目指して勉強に励むこの同級生を励ますため、毎日みらいコースに通う。「ここは予備校じゃない。私の学校です」

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